当協会のご紹介

髙谷光信理事長 ご挨拶

音楽を通し《日本とウクライナ》の国際交流を生涯活動とし努力を惜しまず

            

《日本ウクライナ国際交流協会》として2021年4月1日に創設された当会は、新型コロナウイルスの影響で交流を実施することができず活動自粛を余儀なくされました。2022年2月1日《日本ウクライナ音楽協会》へと改名し、音楽活動を支援するという指針を確かなものとし活動を開始しました。創設精神は、私がウクライナで20年にわたる指揮活動を経たことにあります。ウクライナ国立チャイコフスキー記念キーウ音楽院の指揮科を卒業後、ウクライナ・チェルニーヒウフィルハーモニー交響楽団の指揮者を長年勤めてきました。そして現地での演奏会や国際音楽祭、ピアノ・ヴァイオリン・指揮マスタークラスの開催を通して日本とウクライナの多くの音楽家が交流してまいりました。

 そして両国の魅力を知り、文化を感じ合うことで生み出される「素晴らしいハーモニー」が確かにありました。ウクライナの音楽の歴史は素晴らしいものがあります。ウクライナ国立フィルハーモニーホールやウクライナ国立歌劇場などの世界的な劇場を擁し、キーウ国立バレエ団、ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団、ウクライナ・チェルニーヒウフィルハーモニー交響楽団はじめ多くのプロオーケストラが活躍しています。また、キーウ、ハルキウ、オデーサなどにも歴史のある音楽院が存在しています。

 そしてホロビッツ(ピアノ)バシュメット(ビオラ)プロコフィエフ(作曲)ルイセンコ(作曲)のように世界レベルの有名音楽家も多く輩出しているのです。しかし、才能ある演奏家たちが査証や経済的な理由など様々な理由により、世界に紹介される機会は多くありません。《日本ウクライナ音楽協会》が音楽文化の架け橋となり両国の音楽家をサポートできるお手伝いができればと思い創設に至りました。

 世界中の演奏家たちがウクライナの地で出会い、共演することで大きな発見や喜びがあることは言うまでもありません。私が何よりも感銘を受けてきたのは、最後の音を演奏し終え、スタンディングオベーションのなか、最高の笑顔を見せる演奏者たちに触れた瞬間でした。それは私の役目だと感じたと同時に、もっとウクライナの魅力を広く知っていただきたいと思いました。

 《日本ウクライナ音楽協会》は「何を求められ、何をするべきか、何ができるのか」を常に考え、改善を行なうと同時に問題の発見に努めてゆきます。  

 今ウクライナ情勢は戦争状態に入り、街や教会は破壊され目を覆いたくなる現状となっています。オーケストラの仲間たちは楽器を銃に持ち替え今もウクライナにて戦闘に参加しています。ポーランドをはじめ近隣諸国、そして日本に難民として退避できた人たちもいます。直ちに停戦をし、長く続くロシアウクライナ戦争が終結することを切望しています。

戦争を憎み人を憎まず。

 音楽を通し、日本とウクライナの国際交流を生涯活動とし努力を惜しまない覚悟です。皆様のご理解と暖かいご支援ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

髙谷光信(たかやみつのぶ)

2022年3月21日